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伊藤 均
食品と開発, 27(6), p.9 - 14, 1992/00
紫外線殺菌、放射線殺菌、オゾン殺菌の機構は類似した点があり、DNAに作用する点とか酸化作用を有する点が共通している。また、これらの処理法は加熱と異なり生鮮食品にも適用でき有害物質が残留しない点ですぐれている。しかし透過力の点では著しい差があり、放射線処理法が最もすぐれている。一方、殺菌装置の簡便さから見ると紫外線が最も使用しやすく、オゾンも取扱いに注意すれば小さな装置で安価に使用可能である。放射線殺菌の場合は装置が大型で、小さな企業では設置が困難と思われる。処理コストも放射線殺菌は紫外線やオゾン、薬剤、加熱などと比べ割高となるが、大量連続処理が短時間で可能とか梱包状態の最終製品でも処理可能、など総合的に評価すると低コストになる可能性がある。ここでは各種殺菌法の基礎的な原理について解説する。